Into the Unkown D.P①の続きです~
■オープニング/OSTについて
アンサンフン:D.Pでもうひとつ印象的だったのがオープニングです。全部撮ったんじゃなくてこう、フッテージを集めて作業を?
ハンジュニ:フッテージものすごくたくさん集めましたよ。フッテージたくさん集めて、インターネットHPに演出部が上げてスタッフが全部集めて(※この辺聞き取れない…) …最初にいくつか出てきた後、運動会の映像で出てくるのは制作会社のビョンスンミン代表の息子さんなんですよ(笑) 全部集めて、オープニングタイトルを撮られた監督に途中で来ていただいて、またいくつか雰囲気のあるフッテージを撮っていただいて、それでも足りなくて助監督が撮影全部終わったあともまた撮りました。自分なりに精魂こめましたし、そして画竜点晴は音楽監督が。
アンサンフン:はい、その話に行こうかと思っていました(笑) Crazyですね。OST全体のお話は後でしますけど、Crazyがすごく良くて、オープニングクレジットとしてすごく強い作品でした。Crazyの作曲背景はどうでしたでしょうか?
プライマリ:スケッチみたいなものは事前に用意してた状態だったんですが、監督が望まれるサウンドやストーリーみたいなものがすでに組み立てられている状態だったんです。僕はそれを完成させるだけ、ただ味付けするだけの役割だったと思います。
ハンジュニ:ものすごく謙遜したお言葉を(笑)
アンサンフン:ある意味ひとりの男性の軍隊へ行くまでの成長が感じられるじゃないですか。
プライマリ:ちょっと幻想的にしたかったんです、夢みたいな感じに。なのでそこにも誰かに自分が狂ったのか教えてくれと、そういう歌詞があります。すごく強い感じの曲にするんじゃなくて。
3部にもそんな内容が出てくるんです。釜山へ行った後アンジュノとハンホヨルが復帰したときにhigherという曲が出てくるんですが、その曲はルシッドドリーム(明晰夢)についての曲なんですよ。“ Don’t me wake up” 、自分を起こさないでくれというそういう歌詞で。
ジュノが釜山へ行って、部隊に戻る時にすごく現実に 返っていくような感じがしたんですよ。そして父親が倒れたという話を聞いた時、また地獄の始まりなのかと、そんな風に思って、そんな内容を籠めたらどうかと。
だからといって、5話6話がすごく強い内容ですが、重たいものを重たく表現したいという考えもなかったです。映像でも、これは重たい話だ、そう最初から始まるわけでもないじゃないですか。なので、音楽はそういう(重すぎない)方向性にしたらどうかと考えました。
全体的に、これもすごくたくさん話をした部分なんですが、監督ニムがお話されましたけど、彼らは刑事でもないし何かの専門家でもないじゃないですか。ただの軍人でしかなくて、すごく平凡な男たちなので、ジェームスボンドが出てくる捜査物みたいなスパイ音楽が出てきたり、あるいはミッションインポッシブルみたいな類の、または探偵映画に出てくるようなすごく専門的なサウンドだと、この(D.Pの)ムードを壊わしてしまうんじゃないかと。なのでちょっと曖昧にしておくのはどうかと考えました。すごく専門的な状況や感情を表現をするにおいても、”おかしくなりそうだ”、そうアプローチすればそれらが全部曖昧になるような気がしました。
アンサンフン:全体的に、OSTをこう聞いてると、すごく暗くてちょっともの寂しい、そういう情緒が大部分なんですが、だからと言って暗すぎなくて、そういう意味で絶妙に調節された感じ、僕は聴いてそう感じました。
元々はヒップホップを主にやられてきたわけですが。でも(今回のOSTを)聞いてみて、僕は昔ロックが好きだったので、コールドプレイとかレディオヘッドみたいなそういうのも感じたんですが、作業をされながら影響を受けたアーティストとかはいますか?
プライマリ:僕もそういう音楽すごく好きです。すごく好きだし、幼い時から楽しく聞いていたので。ジャンル的に、最初にD.Pという作品のシナリオを読んでアプローチした時、いちばん合いそうだと思ったのがロックだったんですよ。なぜなら、すごくトレンド的な子たちではないし…チョンヘイン俳優とクギョファン俳優はすごく素晴らしい方達ですが、シナリオと設定上ではうす汚れた感じ(ボロボロな感じ?)が漂ったらいいなと思ったんです。すっきり整理されたコンピューターサウンド的よりは、すごくラフで、ギターなんかを弾くのもチューニングがずれることもあるし(わざとずらす?)、そういうのを入れられるのがロックじゃないかと。そして若さを表現できる代表的なジャンルだと考えました。ヒップホップとかはすごく好きですが、設定には全く合わないと思いました。
ハンジュニ:かなり苦労されていました。なぜなら、僕のことをすごく良くおっしゃっていただきましたが、僕が無責任に“音楽が変だったらいいです”と、そういう話をしたんです。“シーンに合わない感じだったらいいです、でも合うといいです”、こういう話をずっとしてました。
でもすごく黙々と…裏で悪態付いていらっしゃったかもしれないですが、ずーっと作業されて最後にはものすごく素晴らしく…
アンサンフン:じゃあシーズン2!やることが決まったらまたいっしょに仕事されますか?
ハンジュニ&プライマリ:もちろん!
OSTの歌詞全然理解してなくてアレですが、<higher>がルシッドドリームの曲として作られたっていうのがなんとも… ジュノにしたら現実世界は地獄で、軍隊入っても地獄で、その中でD.Pの任務をしているときはそういったことを忘れられるある意味夢みたいな時間なんだろうなぁと。クギョさんとヘンニムがいうホヨルはもう一人のジュノ、みたいな話も、ジュノにとってホヨルは地獄を耐えるためのイマジナリー理想のヒョンみたいな感じだもんな…とか延々と考えてしまう。
監督がプライマリに音楽がシーンに合わないように、でも合うようにみたいな注文してたの笑うけど、ちょっとわかる(笑) こないだ1話をまた見てて、ジュノがピザ屋の原付パクッってバーッと走るシーンで、あーこんな音流してたんだなぁと改めて音楽を気にして見てみてたら面白かったです。
■音楽監督として
プライマリ:僕は新人音楽監督なので、最初にユンソンヒョン監督と<狩りの時間>をやったときはやり方や進行の仕方についてよくわからない状態だったので、僕がかなり意見をお話ししたんですよ。ここをこうしたらどうでしょうか、と。でもその時にひとつ学んだのが、演出をされる監督を信じるのが一番いいと思ったんです。
本来作品を引っ張っていこうという意図があるじゃないですか。ここはどんな色でどんな感じで行こうという意図があるので、やたらと(OSTを)流そうとするのが問題になると思ったんです。
大衆音楽と映画音楽の違いだと考えているのが、主人公になってはダメだと思います。大衆音楽では無条件主人公にならないといけないし、目立ってないといけないですが、映像音楽は合わせる役割が一番重要じゃないかと。
僕がいちばん好きでよく見てた映画で…<ダンケルク>を劇場で見たんですが、映画がものすごく没入感があって、劇場を出た後になんでこんなに映画音楽が無いんだろう?と思ったんです。その時の音楽監督がハンス・ジマーだったんですが、音楽が無いのかと思いました。それからしばらくしてもう一回見ました。最初から終わりまで全部音楽なんです。その時感じました。これは本当に没入感を与えて味付けをするのが最高なんだな、目立つのよりそれが重要だと感じました。
アンサンフン:そういう面で独自的な音楽作業と、何かをサポートする映像や映画音楽の作業をされる時、個人的にはどんな部分がより…(おもしろいですか?)
プライマリ:ふたつともすごく魅力があります。両方とも魅力があるんですが最近はよりおもしろさを感じてるのは映像音楽です。
そしてもうひとつ気分がよかったのは、恐れ多くもこんな立派な俳優の方たちの映像に(自分の)音楽を入れる機会があるだろうかと。自分のMVを作っていたときはこのような方達を起用することはできなかったので(笑)
アンサンフン:またまた、これまで素晴らしい方達と仕事されてきてるのに~
プライマリ:なのでそういうのもすごくおもしろかったです。<狩りの時間>の後にも俳優の皆さんにお会いしました。初めてお会いしたんですが、いつもこう、画面で見ているじゃないですか。だからもう友達になったような、そんな感じがすごくしました。
アンサンフン:一般的にOSTというと、主人公のテーマ曲があって、アンジュノのテーマ、ハンホヨルのテーマ、そういうのは特別意識せずに作業されたんですか?
プライマリ:別段意識はしていなかったです。
ハンジュニ:人物のテーマというよりは、各話が少しずつ違うジャンルだったらどうかという話をしました。実際各話ごと音楽が少しずつ違ったりします。
そして僕は個人的に、映画を作るときに歌唱曲を使ったことがほとんどなかったので、今回ははじめから歌唱曲を使ってみたいと(考えていました)。作品のことを考えたら思い浮かぶ歌唱曲ってあるじゃないですか。ぜひそういうのをやってみたいということをお話したんです。これは僕達だけでの話ですが、(プライマリが)知り合いの歌手の方がたくさんいらっしゃるので、誰々はダメですか?誰々は?誰々でやったらダメです?ずっとそういう話をしながら…
プライマリ:実際(他の歌手と)一緒にやる曲においては他の音楽監督よりは僕にとっては楽な領域でした。そういうのは普段やっていることなので楽な領域だったんですが…あ、これはビハインドストーリーなんですが、プラットフォームがNetflixなのでNetflixのプレミアがものすごくつくんです。みんなとてつもないお金が動いてると思ってて、オファーをしたらあり得ない金額をおっしゃられるんですよ。なのでこれはスムーズにいかないなと…そういう(お金のこと)理由で…
ハンジュニ:そんなすごくはないんですよ。記事でD.P製作費200億ウォンと出ましたけど、僕達その半分もいかないですよ(笑)誰に聞いてそんなこと書かれるのか…
■歌詞について
アンサンフン:今回のOSTは歌唱曲がほとんどでですが、歌詞を聞いてみると20代の心理、メンタルそういうのを感じました。作詞作業はどのようにされたんですか?
プライマリ:以前にもそういった曲を作ったことがあるんですが、不完全な状態、そして青年期の…広々とした海(※茫茫大海)に浮かんでる感じと言ったらいいのかな?僕自身もまだその真ん中にいるでしょうけど、茫々たる海に救助船もなくそういうところにプカプカと浮いている感じ。
その当時僕が感じていた多くの、20代前半の頃のことが思い出されました。そのときは本当に途方に暮れて、どうしたらいいのか、どこへ行けばいいのかわからないじゃないですか。仕事に打ち込むのが正解じゃないかもしれないし。だけれど、時間は流れていくし、それでも何かをしなきゃいけないし、そんなことをたくさん込めようと考えました。
<Goodbye(이재)>という曲でも歌手のmeegoとものすごく話をしたんですよ。今はどうすればいいのかわからない、でもここを通り過ぎて結局は進まなければいけない、こういうことをたくさん話しました。正解がなくて、誰かがお前達はこうしなきゃいけない、やらないとって。結局はそうじゃないですか、そういう青春時代に正解というものは存在しないように思います。
各話ごとに音楽の雰囲気を変えてるという話で思い出したけど、プライマリがメロンステーションのラジオに出た時に、すーごいがんばってエンディング曲作ったのにネトフリは5秒で‟スキップしますか?”が出てきてめちゃムカつく!みたいなことを話していたレポを見た気がします。 D.Pは各話でエンディング曲変えてるんですよね。
1話 Tell a lie
2話 Numbers
3話 higer
4話 crazy
5話 無し
6話 Tell a lie → Good Bye
各話の情緒にあわせて決めてるんだろうからまぁすっ飛ばされたらつらいよね(笑)と思って、それから再視聴するときはなんとなくクレジットも見るようにはしています。
製作費200億の話はやっぱネトフリだしそんなにかけてるんだ~とか思ってたけどデマであった。キングダムがそれくらいとか言われてるけど、まぁあれに比べたらD.Pはキャストからしてもそこまで金かかってないよなぁ…の割にリターンが大きかったわけでネトフリからしたら孝行作品だと思う…
相変わらず狩りの時間を見れてないのでそのうち見なきゃなあと思いつつネトフリを開くと違うものを見ちゃうんですよね。プライマリ、もろもろあって所謂大衆的な音楽の面では昔のように脚光を浴びて~とはいかないんだろうし、音楽監督の道で才能が開けてなんか良かったね…みたいな気持ちです。(誰目線?)
D.P関係ないですけど、こないだwatchaのアンフレームド企画のパクジョンミン監督作品<반장선거>の音楽をマミソンが担当してました。
記事ではOST参加って感じだったけどクレジットみたら音楽全体担当だったみたいで、こうやってアーティストが映像音楽仕事するの良いな~楽しいな~と。映画冒頭からでヒップホップで始まって全体的に音楽が効いてておもしろかったです。
OSTのうち一曲だけパクジョンミン本人が作曲した曲があって、この人マジでなんでもできるな!!とびっくりしました。普段から趣味で曲作りする人なんだろうか…
パクジョンミンとチョヒョンチョルが高校から同級生の友達なのは知ってたけど、お兄ちゃんとジョンミンがそんなに親交あるんだ!とちょっとびっくりした。実際どうかは知らんけどインタビューとかではヒョンチョルぐんがマミソンというかメドさんにめちゃ塩なので、パクジョンミンを介することで兄弟で同じ作品に関わったりとかないかなぁ~~~と淡い期待をしてますが、まぁ絶対ないだろうな(笑)
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